愛を知らないあなたに
「よぉ、久しいな――仮面男?」


「弥助・・・相変わらず、愚かだな。」



蔑むような口調。


仮面のせいで、どんな表情なのかは全くわからない。




つと、仮面が薺さんのほうを向く。



「これはこれは、厭らしい女天狗じゃあないか。

何しにきたんだ?王はお前など、もうカケラも思ってないぞ?」


「・・・仲間の呪いを解いてほしくて、来た。」



薺さんは、真っ直ぐに仮面男を見て言った。




「呪いを解け。こいつにはなんの罪もないじゃないか。」


「だがお前には罪がある。」



すかさず仮面男は返し、くつくつと不気味に笑う。



「罪人であるお前を助けようとしたのだ、それはもう罪であろう?

罪人に罰を与えるのはもっともなことではないか。

勿論、そこにいる鬼にもやりたがったが・・・逃がしてしまってな。

今、やってやろうか?」


「結構だ。俺は呪いを解かせるためにきたのだから。」



琥珀様は淡々と返し、絶対零度の瞳で仮面男を見据える。



「・・・借りを返しに来た、とも言えるが。」


「それはそれはまた、愚かな。」




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