愛を知らないあなたに
「琥珀、お前・・・」


あたしの腕を離した弥助さんが、唖然と呟く。

後を引き取るように、仮面男が続けた。





「変わったな。

・・・原因はその娘、か?」


仮面がこちらを向く。

そして、忌々しそうに舌打ちした。



「あぁ・・・・・・ムカつく!」


「え?・・・あ!」




突然。

あたしがつけていた、浅葱さんからもらった四葉のネックレスが、仮面男のところへ飛んでいってしまった。



「ま、待って!!!駄目!!!」


慌てて手を伸ばすも、すでにネックレスは仮面男の手の中に。



「な、んで・・・それ・・・・・・。」


悔しさを噛み締めて呟けば、仮面男はくつくつと笑う。




「ほぅ、知らないのか?このネックレスがどういうものか・・・。

まぁ、よい。ネックレスの一つや二つ、別によいだろう。」


「いいわけあるかっ!!!」



あたしは叫んで、猛然と仮面男に飛びかかった。


弥助さんの手が阻むように伸びてきたけど、全力で振り払った。




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