愛を知らないあなたに
しゃにむに掴みかかるあたし。

それを振りほどこうともがく仮面男。



「な、にをするっ!」


「それはこっちのセリフ!!!それはあたしの大切な宝物なの!

誰だろうと・・・奪うことは許さない!」


「ちっ。小癪な・・・こうなったら。」



「リン!離れろ!!!」


ハッとしたように琥珀様が叫んだ。

――けど。



「すみません無理です!」


何があろうと、離れたりしないんだから!!!




「つくづく愚かな・・・。落!!!!!!」


ぽかり。

あたしの足元に穴があく。



あたしはそこへ真っ逆さまに――大人しく落ちてやるもんかっ!!!




ぎゅぅっと、渾身の力で仮面男の首に腕を巻きつけた。



「なっ!!???」





予想外だったらしい仮面男が声をあげる。


仮面男が反撃する前に、あたしと仮面男は共に穴の中へ落ちていった―――






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