愛を知らないあなたに

捜索と遭遇と

◇琥珀side◇





「リンッ!!!!!!」


叫ぶも、すでに穴は消えていて、影も形も無い。




「あちゃー・・・まさか凜ちゃんとはぐれることになろうとは。

しかも、仮面男と凜ちゃん一緒って。」


弥助が苦笑まじりにため息を吐き、心底感心したように言った。




「つか、凜ちゃん大した女だな。まさか土壇場で引きずり込むとか・・・。」


「ま、わらわの親友だもんねー♪」


「え゛・・・凜ちゃん趣味わりぃな。」


「・・・・・・福、ぜんぶとっちゃうぞ?」


「職権乱用やめてください。」



黒い笑顔を見せ合うタマと弥助を見ていたら、落ち着いた。


そして、動揺していたということに、たじろいだ。




あらゆることにおいて、動じることなんてなかった俺が・・・

1人の女が消えたというだけで、動揺した?




「・・・やはり、リンは只者(タダモノ)ではないな。」


「あ、琥珀もそう思うか!同意見だなー」


弥助がカラリと笑った。

やはり、他の者から見ても只者ではないらしい。




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