愛を知らないあなたに
あの仮面男と共にいるのだ。

もしかしたら、もうすでに呪いをかけられているかもしれない。




「・・・・・・っ・・・」


居てもたってもいられない、とは、こういうことなのか。


落ち着かない。

とにかく歩いて、リンがどこにいるのか見つけ出さなければ・・・どうにかなってしまいそうだ。



――俺は、いつからこんなに冷静さを欠くようになってしまったのだろう。


以前ならありえなかったはずなのだが。





「おい万年ボケ妖怪、マジでこの城ん中にいんのかよ?」


「うん、いるよー。わらわうそつかないもーん。」


「・・・じゃ、どこらへんにいるとかは、わかんねぇのか?」


「うむー、わからぬー」


「・・・・・・チッ」


「あーしたうちしたー!ヒドイー!弥助ヒドイー!」


「舌打ちしたくもなるだろうがよ!!!この城、どんだけ広いと思ってんだよ!なぁ、琥珀?」


「どこにいるのだ・・・」


「・・・大丈夫かよ。」



弥助に苦笑された。

おそらく大丈夫なはずなのだが、そうは見えぬのだろうか?



「琥珀はちょっとあせってるだけで、だいじょーぶだよたぶんー。」




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