愛を知らないあなたに
で、そう思えるってことは、いいとこ選べたってわけで。


さっすがあたしってとこよね~





――ガラッ



と、お客さんだ!




「いらっしゃーせー!」


「薺ちゃん、その言葉遣いはホントになんとか・・・って、あ・・・・・・し、新之助様!!!」



何やら只者ならぬ雰囲気?オーラ?を、纏う男の人が入ってきた。


一目で高価だと分かる、質のよい着物に、端整に整った顔。



おぉ、まるで人形のようではないか。





「うわわ!す、すみません、まだまだ未熟な店員でしてっ・・・!!!」


「おぅっ!?」



のんきに観察してたら、店長に無理矢理頭を下げさせられた。


て、店長、痛い!首が痛い!手加減を!お慈悲をーーー!!!




心の中で叫びつつも、店長があまりに必死なので、大人しくしている。


だって、いつも優しい店長がこんなことやるんだもん。

大変な事態なんだと思う。



うーん。この男の人って一体何者なんだろう・・・。





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