愛を知らないあなたに
どこまでも真っ直ぐな、その漆黒の瞳に。


鼓動が、速くなった気がした。





「いや?悪くはないと思いますよ、新之助様。

ただし、正妻は民が認めないかもしれませんが・・・まぁ、それは新之助様次第でしょうし、そもそもそこまで考えてませんか。」


へらっと喜多さんが笑う。

皇帝はかすかに笑った。




「そうか。お前が悪くないと言うのなら、いいだろう。」


「俺の意見をそこまで重要視されても困りますけどねぇ。」


「大丈夫だ。お前は信用できる男だ。

・・・ということで、薺。」


「は、はい?!」



にっこりと、完璧を思わせる笑みを浮かべて、皇帝は言った。








「今から俺に付き合ってもらいたいのだが。」


「は、はぁ・・・。」


「よいか?」


え。

でもあたしは今仕事ちゅ「全然オッケーです!どうぞどうぞもってっちゃってください!!!」



・・・店長ーーー!?

いいの?そんなんでいいの?それとも皇帝なんだからそういうのが普通なの?



< 345 / 377 >

この作品をシェア

pagetop