愛を知らないあなたに
いや、そもそもそんなにあっさり店員を受け渡さないでよ!




「て、てんちょ「そうかいそうかい。薺ちゃん、早く行きたいのかい。」



話を聞けぇーーー!!!

遮るなぁっ!





「そうか、では早く行くとするか。」


え、皇帝、疑おうよ。嘘だろって思おうよ。

あたしの言葉、遮られたんですよ?!





「あ、新之助様、これ、いつものです!

ほら、薺ちゃんはエプロン脱いで・・・はい!いってらっしゃーい!」




・・・あれよあれよという間に、エプロンを脱がされ、皇帝と店の外へ。




ぽけっとしているあたしの手を取り、皇帝はにっこりと笑った。



「では、行こうか。薺。」







・・・・・・・・・そうですね。


もはや、抵抗は不可能だとわかりましたよ。えぇ。




あたしは、コクリと一つ頷いた。


皇帝は、あたしの手を引き、歩き出す。





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