愛を知らないあなたに
うーん・・・。人間ってよくわかんないなぁ。



「お嬢ちゃん、コイツは皇帝だよ?

普通ならそこは、ありがたき幸せって笑うか照れるかするところだ。」


「え?でも、あなたが言ったんじゃないですか。皇帝の判断基準はよくわからないって。」


「皇帝と過ごした時間が違うだろう。

今日皇帝と出会った普通の娘は、そんなこと言えんはずだよ。

・・・ははっ。お嬢ちゃんは本当に面白いなぁ。
新之助が興味を持ったのが、なんとなく解った気がするよ。」


「お、やっぱハクじい!理解早い‼︎」


「長年の賜物みたいなモノだな。」


おじいちゃんは苦笑いをした後、ふっと、ずらりと並べてある望遠鏡のようなモノを見た。


そして、ためらうことなく、スッと一つ取り出した。

黄緑色に白い模様が入った綺麗な和紙が巻かれている。




「お嬢ちゃん、見てみな。
きっと気にいるよ。」


「へ?えぇっと、こう、ですか?」


戸惑いながら、小さくてまあるい、覗き穴のようなところから、中(?)を見た・・・ら。



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