愛を知らないあなたに
「そうか。じゃあーー」



皇帝の低い声が、頭の上から聞こえる。


あたしは頭を下げたまま、ぎゅっと目をつぶった。

どんな言葉にだって、どんな行動にだって、耐えてやるっ・・・‼︎!




「できる限り毎日、薺のいる店に出向こう。」








・・・・・・・・・へ?



予想外の言葉に、思わず顔を上げて皇帝をまじまじと見てしまった。




「あ、の・・・?」


「なんだ。出向くのは俺の勝手だろ?」


「え?は、はい。そうですけど・・・え?」


「ん?どうした?」


『どうした?』って・・・どうした?!



何をどう言うべきか分からず、口をパクパクしていると。




「ぷっ、はははははは!」


おじいちゃん、大爆笑。



それはそれは見事な大爆笑でーーって、え?


待って今どういう状況!?




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