愛を知らないあなたに
時間と共に想いは大きくなっていった。
いつの間にかーー
あたしは、新之助様が好きで好きでたまらなくなっていた。
「・・・新之助様。」
「どうした?改まって。」
「好き、です・・・ひゃっ!?」
ぐいっと身体を引く寄せられ、新之助様があたしを抱きしめた。
「ししし、新之助様っ!?」
「ははっ・・・やっと捕まえたぞ、薺。」
耳元で囁かれた、低くて甘い声に、ひときわ大きく心臓が跳ねた。
「もう、離さない。」
「っ、はい!」
どうか、離さないでください。
心の底から、そう願った。
けれどーー
妖怪であることを告げられないあたしがそんなことを願うのは、おこがましかったんだろう。
『新之助様、貴方、騙されてますよ。
そいつは、女天狗だ。』
願いは、叶うことなく・・・
あたしは、呪いをかけられ、一時期彼と共に住んだ城から、追放された。
いつの間にかーー
あたしは、新之助様が好きで好きでたまらなくなっていた。
「・・・新之助様。」
「どうした?改まって。」
「好き、です・・・ひゃっ!?」
ぐいっと身体を引く寄せられ、新之助様があたしを抱きしめた。
「ししし、新之助様っ!?」
「ははっ・・・やっと捕まえたぞ、薺。」
耳元で囁かれた、低くて甘い声に、ひときわ大きく心臓が跳ねた。
「もう、離さない。」
「っ、はい!」
どうか、離さないでください。
心の底から、そう願った。
けれどーー
妖怪であることを告げられないあたしがそんなことを願うのは、おこがましかったんだろう。
『新之助様、貴方、騙されてますよ。
そいつは、女天狗だ。』
願いは、叶うことなく・・・
あたしは、呪いをかけられ、一時期彼と共に住んだ城から、追放された。