愛を知らないあなたに

奴の言うことには

◆凜side◆




開いた口が塞がらないとは、まさにこのことか。





「ふっ、間抜けな顔だな、雪女の末裔。」


マヌケ?

いやいやいや・・・



「マヌケな顔にもなるでしょ普通ーーー‼︎‼︎‼︎」


「うるさい、貧相。」


「なっ・・・あんた、喧嘩売ってる?!」


「事実を述べただけだ。」



ムーカーツークー!




「それより‼︎!どういうこと⁈浅葱さんの双子の片割れって!」


「どういうも、そのままの意味だが。

嘘ではないということは、俺の顔を見れば分かだろう?」


そ、うだけど・・・。



「でも、あたし、浅葱さんからそんなこと一度も聞いたことない・・・。」




思わず眉を歪めて呟けば、元仮面男は笑い出した。

ケラケラと、ひどく面白そうに、嘲るように。





背の高い彼は、あたしを蔑むように見下ろす。



「はっーー笑わせてくれる。」




その声は、冷ややかで。

視線は、まるであたしを、憐れんでいるかのようだった。





「一度も聞いたことない?

当たり前だろ。

お前ごときが、アイツの何を知っているっていうんだ?」




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