愛を知らないあなたに
利用?浅葱さんが?
「何それ。意味わかんない。
浅葱さんに利用されたことなんて、一度もないよ?」
「気づいてないのか。まぁ、当たり前か。
アイツが悟らせるはずない。」
「何を根拠にそんな・・・」
「お前が俺のことを知らなかったからだ。」
「え・・・?」
眉をひそめたあたしに、元仮面男はかすかに微笑んだ。
慈愛をたたえたようなその微笑は、ひどく浅葱さんと似ていてーー
思わず、息を呑んだ。
「何も知らない、憐れで愚かな小娘よ。
教えてやろう、全てを。」
柔らかな、どこまでも浅葱さんと似た笑みに、不覚にも足がすくんだ。
美しい翡翠の瞳から、目が離せない。
そっと。
白く長い指が、あたしの額に触れる。
優しげに目を細めたまま、誘うように、彼は囁いた。
「ーーお眠り。
そうして・・・・・・
絶望しろ。」
あたしは、ゆっくりと。
真っ暗闇の世界に、落ちていった。
ーー全てが闇にのまれていくなかで。
微かに、元仮面男が持っている四つ葉のネックレスが、光った、気がした。
「何それ。意味わかんない。
浅葱さんに利用されたことなんて、一度もないよ?」
「気づいてないのか。まぁ、当たり前か。
アイツが悟らせるはずない。」
「何を根拠にそんな・・・」
「お前が俺のことを知らなかったからだ。」
「え・・・?」
眉をひそめたあたしに、元仮面男はかすかに微笑んだ。
慈愛をたたえたようなその微笑は、ひどく浅葱さんと似ていてーー
思わず、息を呑んだ。
「何も知らない、憐れで愚かな小娘よ。
教えてやろう、全てを。」
柔らかな、どこまでも浅葱さんと似た笑みに、不覚にも足がすくんだ。
美しい翡翠の瞳から、目が離せない。
そっと。
白く長い指が、あたしの額に触れる。
優しげに目を細めたまま、誘うように、彼は囁いた。
「ーーお眠り。
そうして・・・・・・
絶望しろ。」
あたしは、ゆっくりと。
真っ暗闇の世界に、落ちていった。
ーー全てが闇にのまれていくなかで。
微かに、元仮面男が持っている四つ葉のネックレスが、光った、気がした。