愛を知らないあなたに
◆◆◆



「お父様、お話とは一体なんでしょうか。」




真っ暗闇の中で耳に響いた幼く、どこか懐かしい声。




闇が薄れて、ぼんやりと周りが見えてきた。





畳と障子のある、薄暗くて陰気な雰囲気の部屋。

さながら宴会場のように、だだっ広い。



上座には、元仮面男と同様に真っ白いローブを着た男(たぶん)が座っている。

仮面はつけてないけど、フードを深くかぶっていて、顔が見えない。



そして、その男(たぶん)に向かい合う形で、二人の子供が座っていた。


瓜二つの顔をした、少女と少年。

おそらく、この二人はーー





「ふっ・・・相変わらず単刀直入に聞くな、浅葱。」





ーー浅葱さんと、元仮面男だ。


で、ローブ男が二人の父親、なんだろう。



なんか、貫禄ある人だけど、一体何歳なんだろ。

声はけっこうまだ若々しいと思うんだよねぇ・・・。





いや、ていうか、さ。


なんであたしここにいんの?




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