愛を知らないあなたに
思うことさえダメなのか?!



「元仮面男!

なんでアンタあたしの心が読めるの?!」


《なんで?愚問だな。

俺だから、に決まっているだろう。》


答えになってない!


《充分すぎるほど答えになっているだろう。

阿呆が。》



ぬあああああああ‼︎‼︎‼︎

「心を読むなぁ‼︎!」


《うるさいな。記憶を見せてやってるんだ。

少しは色々遠慮しろ。》


「記憶を、見せてる?」


それって、つまり、



《気づいてなかったのか?

これは俺の記憶だ。》



元仮面男の記憶ーー。


「どうしてそんなもの、あたしに見せるの?」


《言っただろう。全てを教えてやると。

だからだ。》



あぁ、確かに元仮面男はそう言った。

“全て”・・・か。



「アンタの記憶の中にその“全て”はあるわけ?」


《そうだ。

知ったらきっとお前は、絶望せずにはいられないだろう。》




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