愛を知らないあなたに
「今は良いが・・・これからは、控えろ。

お前達は互いにとって“唯一無二”なのだから。」


ん・・・?

なんだか、意味深な言い方だな。


双子だからってだけじゃない?




浅葱さんが、ふっと笑んだ。

背丈に合わない、大人びた笑み。


「わかっていますよ。」





元仮面男も、どこか冷めた笑顔を見せた。


「俺だって、わかっているさ。」





2人は視線を合わせる。

お互いを愛おしむような、尊ぶような、そんな視線。


さっきまで喧嘩していたなんて思えない。



そして父親は、それを満足気に見つめる。






なんだか胸がざわざわした。


3人はとても穏やかなのに、不穏な感じがした。



2人の視線が、妙に生ぬるいような気がする。

2人の父親の表情が、妙に客観的な気がする。




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