愛を知らないあなたに
「どうしてあたしに記憶を見せるの?」


《ふっ・・・言っただろう、絶望しろと。

無知なお前を憐れんだのだ、俺は。

だから見せてやっている。現実を見て絶望するように、な。》




今は分かる。

おそらくこれは元仮面男の本心で、はったりでもなんでもなく、コイツはあたしが絶望すると思ってる。





・・・・・・絶望、ね。




『忘れちゃ駄目よ、凛。

あなたは、愛されて生まれてきたし、わたしはあなたを愛してる。』






「ふふっ・・・」


《?》


「上等。」



強張りつつある頬の筋肉を無理矢理動かして、ニヤリと笑う。





「見せなよ、あんたの浅葱さんに関する記憶、全部。

あたし、絶対絶望してやんないから。」




ちょっと、ていうかけっこう無理してるけど・・・

こんな奴の思い通りになんて、なってやんないんだから!





宣戦布告じゃコンチクショー!!!

かなーり分が悪い気がするけど、無視だ無視っ!





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