愛を知らないあなたに
凛としたその笑顔は、希望に満ちていて。

りょっちゃんに呪いをかけさせたなんて、思えなかった。



この、綺麗な男の子は、一体どんな時間を経て皇帝になったんだろう。

今の皇帝は、一体、どんな人?





「まぁ、そうは言っても、私がなるのは兄様の補佐なのだが」


ちょっと恥ずかしそうに、新之助様は鼻の頭をかく。

双子は尊敬の眼差しを送り、ぴったり声をハモらせた。


「「補佐でも素晴らしいです、新之助様」」






ーーーーー何も知らないで、シアワセな奴だな。『兄様』は近いうち殺されるっていうのに。




綺麗なハーモニーと共に頭に響いたのは、嘲りを含んだ声。



あたしは、なんだか妙にゾッとした。

なぜそんなことを知っているのかはわからないし、何より。


『殺される』という言葉をこんなにも冷静に捉えていることが、理解できない。



いや、元仮面男を理解できるわけないし理解したいとも思わないけど。


だけど、幼い彼がここまで冷静なのは、おかしいよ。





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