愛を知らないあなたに
狐はそっと口をつぐんだ。
そして、ふっと微笑を浮かべる。
《健闘を祈る。》
厳かに告げ、狐は―――――姿を消した。
沈黙がこの場を支配する。
あたしは、ただ呆然と突っ立っていた。
重ねていた。
鬼様の温もりを感じて、鬼と浅葱さんを重ねていた。
それは、たぶん――事実だ。
――――――でも。
「それを知っても鬼様が怖いと思えないのは・・・なんで?」
あたしは1人、答えのない問いを呟いた。
そして、ふっと微笑を浮かべる。
《健闘を祈る。》
厳かに告げ、狐は―――――姿を消した。
沈黙がこの場を支配する。
あたしは、ただ呆然と突っ立っていた。
重ねていた。
鬼様の温もりを感じて、鬼と浅葱さんを重ねていた。
それは、たぶん――事実だ。
――――――でも。
「それを知っても鬼様が怖いと思えないのは・・・なんで?」
あたしは1人、答えのない問いを呟いた。