愛を知らないあなたに
変わった生贄
◇鬼side◇
この生贄は、どうも変わっている。
「美味しいっ!!!」
顔を輝かせ、彼女は俺を見た。
「鬼様って、料理上手なんですね!」
「普通だ。」
「上手ですよ!」
美味しそうに生贄は、俺が作ったものを食べている。
そこらへんの川で取れた魚。
そこらへんに生えていた山菜。
ジンさんが持ってきた米。
魚をてきとうに焼いて、山菜をてきとうに調理した。
それだけなのだが。
「うぅっ・・・。
良かったねあたし!死ぬ前に美味しいものが食べられるなんて!
幸せだね!」
生贄は少し・・・いや、かなり大げさだ。
やはり、今までの生贄と違う。