愛を知らないあなたに
神社の散策
◆凜side◆
「・・・・・・・・・暇。」
あたしは何もない広間で、ぽつりと1人座っていた。
というかなんだこの状況。
生贄として来たというのに。
未だに鬼に食われてないってどういうこと?
しかも。
暇ってなに暇って。
生贄って暇とか思っちゃっていいものだっけ?
あれ、なんかずっと怖がってるイメージしかないよ。
というか、すぐに食われるものだとばっかり思ってた。
「・・・・・・お腹減ってなかったとはね。」
せっかく覚悟を決めたっていうのに。
意味がなくなってしまった。
でも・・・あたしは、食われなかったことを喜ぶべきなのだろうか。