愛を知らないあなたに
「ハァ・・・・・・。

ったく、あたしは結局どう思いたいんだよ。」



思わず自分にツッコミを入れた。




鬼でないと思いたいの?


鬼なのだと思いたいの?









「・・・・・分からない・・・。」


自問した末の答えがそれだった。




『分からない』


たぶんこれが今のあたしの答えだ。




「まぁ、どちらにせよ・・・あたしは食われるんだし。

どうでもいいか。」



あたしは生贄なんだし。


あたしがどう思おうが、大した問題じゃないでしょ。









「にしたって・・・。

この神社、けっこう広いなぁ。」


あたしは呟いた。




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