愛を知らないあなたに
見惚れていたあたしはすぐさま現実に戻り。

そぉーっと早足で撤収。




―――――できたはずだった。







「生贄・・・何をしていた?」




絶対零度の声がやけに響いた。



あたしはゆぅーっくりと振り返る。




「・・・・・・オハヨウッス、オニサマ。

キョウモゴキゲンウルワシュウゴザイマスデショウカ?」


「何をしていたと聞いている。」




あたしの質問にも、カタコトだということにも、ツッコミ無し!!!



え?どうしろって?


『ちょっと気になって鬼様の寝顔見つめてましたぁ☆』

なんて言えと?


え?言えと?




いやいや、言えるかこの野郎。


寝顔見つめるとか変態だろう、もはや。



いや、確かに変態化したけど・・・・・・





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