愛を知らないあなたに
あたし・・・何のためにカタコトで踏ん張ったんだよ!!!



「だが、なぜ言うのを躊躇ったのだ?」


・・・・・・・・・え゛



「あの、分からない・・・ですか?」


「分からぬ。」



えぇー!


「だ、だって、その、ちょっと失礼、じゃないですか・・・勝手に寝顔見るって。

そ、それに・・・あたし、も、は、恥ずかしい・・・です、し・・・・・・。」



どもりながらもごもご呟き、あたしはパッと俯いた。


あー!なんか恥ずかしい!

顔が熱くなってきちゃったよ!




「そうなのか・・・?

俺、昨夜普通に寝顔見てたけどな。」


「な!?見てた!?誰が誰の寝顔を!?」


「俺がお前の寝顔を。」




えーっと、ちょっと待て。


整理しよう。



“俺が”は“鬼様が”

“お前の寝顔”は“あたしの寝顔”


つまり・・・




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