愛を知らないあなたに
『昨夜鬼様があたしの寝顔普通に見てた』



ということか。





って・・・は!?



「み、見て!?」


「気持ち良さそうに寝ていたな。」




ええぇぇぇぇぇぇー!!!


この美しい・・・美しすぎる鬼が、この地味な平凡女の寝顔を見てた!?



なんて羞恥!!!!!


さぞ幻滅したことだろう!



だけど謝らないよ!

勝手に見たのは鬼様の方だもん!




「・・・・・・失礼なことだったのか?」



真っ直ぐにあたしを見つめる琥珀のような瞳。


疑問が疑問のように聞こえないほど、感情の無い声。




それでも、あたしと言葉を交わしてくれることに変わりはない。


そう思うことにしよう。





あたしは鬼様に、にこっと笑いかけた。




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