愛を知らないあなたに
ふぅふぅ言いながら、奥へ奥へと進んでいく。



そういえば・・・山奥っていっても、どこらへんなんだろう。


思わずあたしははたと足を止めてしまった。




あたし、鬼がいるところ、山奥ってしか教えられてない!


って、なんて今更!!!



「ま、マジか・・・」


呆然と立ちすくんでしまった。



どうすんのあたし。

どうすんの!!!


呼ぶか?

『鬼さーん』って、呼ぶのか?


いや、というかそれしか手はないだろう。




「鬼さぁーーーーーーん!

出てきてくださぁーい!

生贄がやってきましたよぉーーーーーーー!!!」



思いっきり大声を出した。


「・・・・・・大きな声出しすぎた・・・。

喉痛い・・・。」



なんてことだ。

張り切りすぎて喉が痛いぜ。


というか、張り切ってよかったのか?





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