愛を知らないあなたに
「じゃ、じゃあ一体・・・」


「わらわは座敷わらしであるー」


「へぇー・・・・・・って、えぇ!?」



座敷わらし!?


「って、確か住み着いた家は栄えるっていう、あの座敷わらし!?」


「うむー」



えぇぇぇぇ!!!



「で、でもここ家じゃなくて神社・・・」


「そうだねぇ。」


「そ、そうだねぇって・・・」



いいの?

家に住み着いているはずの座敷わらしがこんなとこにいて・・・



あたしの疑問を読み取ったように、座敷わらしはにっこり笑って言った。



「いいんだよ。

わらわはずいぶん家をわたり歩いた。

だから、いまはきぶんてんかんをしてるの。」


「そ、そうなんだ・・・。」


気分転換、かぁ。

確かに、たまには違うことをしてみたくなるよね。



なんとなく納得していると、座敷わらしが首を傾げた。


「おぬしの名前はなんというの?」





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