愛を知らないあなたに
あたしの名前?



「あたしはねぇ凜っていうんだよ。」


「リン・・・。」


座敷わらしはじっとあたしの瞳を見つめ、ふわりと微笑んだ。



「いい名前だねぇ。」


「あ、ありがとう。」



あまりに柔らかい笑みに、少し戸惑ってしまう。


こんな、柔らかい笑みを向けてくれたのは、浅葱さんしかいなかったから・・・。



「わらわの名前はタマだよー」


「タマ?」


なんか、猫の名前みたいなんだけど・・・



「そー。いい名前でしょ。

卵が大好きだからタマっていうのー。」



・・・・・・・・単純!!!




「それ、誰がつけてくれたの?」


「ん?琥珀だよ」


「コハク・・・?」



誰、それ。



首を傾げたあたしに、タマちゃんが目をパチクリさせた。




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