愛を知らないあなたに
「・・・・・・タマ、なんだ。」



タマがマイペースだと発覚したところで、背後から絶対零度の声が。


振り向けば、案の定鬼様がいた。



変わらない冷たい瞳。

変化のない顔。

そして、鋭い視線。



「琥珀ー!あのねぇ、鬼ごっこしよーと思ってよんだの!」


「鬼ごっこ?なんだそれは。」


「わかんなーい」



おいっ!!!



「タマ、鬼ごっこ知らないのに、しようって言ったの?」


「うむー」


いやいや、『うむー』じゃないから。



半ば呆れていると。




「琥珀。」


不意に、タマがさっきとは違うしっかりした口調で鬼様を呼んだ。




「なんだ?」



無表情で、聞いているように聞こえない口調で鬼が言う。



タマは、ふわりと微笑んで、鬼様を見上げた。




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