愛を知らないあなたに
夜だというのもあり、穴はなんだか不気味だった。


けれど、あたしはこれから鬼に会わなきゃいけないんだし。

こんなんでビビッてられるか!



女は度胸!!!


渇をいれ、あたしは穴へ入った。













―――――途端。






世界が歪んで―――



あたしの視界は、琥珀色の光で満たされた。





さっきまでの静けさが嘘のように。


耳元ではびゅうびゅうと風がなった。




あたしは、琥珀色の光と、かなりの強風に包まれる。




思わずきゅぅっと目を閉じ、浅葱色のネックレスを握り締めた。






浅葱さん――あたし、大丈夫だよね・・・?





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