愛を知らないあなたに
「おぉ~どんな名前なんですか?」


あたしはすかさず聞く。


まぁ、あたしが知ってる人なんかではないだろうけど・・・







「浅葱という名だ。」






―――――――――え?



何のためらいもなく淡々と紡がれた言葉。

名前。





「す、すみません、あの、もう一度言って頂けませんか?」





まさか。



そんなはず、あるわけない。



あたしの、聞き間違いだ。







けれど―――





「浅葱という名だ。

俺に名をつけたのは、浅葱という名の女だ。」





< 81 / 377 >

この作品をシェア

pagetop