愛を知らないあなたに
それは、聞き間違いなどではなくて。



心臓が、一瞬、止まりかけた。







アサギ?


アサギ、って――





「あの、それは・・・

浅葱っていう色と同じ字、ですか?」



「あぁ、そうだ。」








嘘。



だって、そんな、偶然――




『ほら。おいで、凜。』










浅葱さん・・・が・・・・・・名前をつけたの?





優しい、柔らかい笑みが、脳裏に鮮やかに蘇った。






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