愛を知らないあなたに
丑三つ時の狼狽
◇琥珀side◇
俺は何か悪い事でも言ってしまったのだろうか。
強張った顔で、うんうん唸りながら眠る生贄を見ながら思った。
確かにいつもよりよく喋ったような気もするが・・・。
あまりよく覚えていない。
おそらく今は丑三つ時。
俺は、生贄のうんうん唸っている声で起きてしまったようだ。
昨夜は酒を飲みすぎてしまったのだ。
初めての感情にうろたえて。
なんだかよく分からぬが自棄(ヤケ)になっていたのだ。
一気飲み、というものを初めて経験した。
もう少し量を考えるべきであったな・・・。
――にしても。
本当にこの生贄はどうしたのだ?