愛を知らないあなたに
絶対零度の声。

冷たい瞳。

痛いくらいの鋭い視線。

変わることのない表情。




二週間前と、なんら変わらない琥珀様。

・・・・・・と、言いたいけれど。




琥珀様の視線は、前に比べて鋭くない。

というか、あたしを真っ直ぐに見ない。



どこか戸惑いがちに、何かを持て余すように。


視線は少し、ほんの少し、あたしから逸れる。




それが何を意味するのかなんて、全く分からないけれど。



あたしを食べないことと、真っ直ぐに向けられないその視線が・・・


なんとなく関係しているっていうことぐらいは、察している。







――あたしはこの二週間。



琥珀様が作ってくれたご飯を、一日三食ちゃんと食べた。




だから、二週間前より、人並みの体型に近づいたと思う。



それでも琥珀様があたしを食べないのは。


何か他に理由があるのではと、最近考えるようになった。





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