愛を知らないあなたに
どんどん心が重くなる。


あぁ・・・駄目だ。

ネガティブ思考になっていってく・・・。



あたしは勢いよく、ぶんぶん首を振った。


「前向きに前向きに!」


何かを振り払うように、キッパリとした口調で言葉を発した。



『いつだって前向きに』

それが浅葱さんの教えであり、あたしはそれを習得したんでしょ!?


ぐちぐちぐちぐち考えない!

浅葱さんも人なんだし!言いたくないことだってある!


だいたい、もういないんだから、考えたって無駄!

ハイ、終了!考えるの終了ーーー!!!




パチンッ!!!


とどめとばかりに、あたしは両頬を叩いた。



「よっし!!!!!

ネガティブ思考完全消去成功!!!」



あたしがそう叫べば。


「リンー。

さっきからどうしたのー?頭おかしくなっちゃった?だいじょーぶ?」



心配そうにタマがあたしを見上げた。


あたしは力強く頷いて見せた。


「大丈夫!バッチリだよ!」




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