お隣さんちの狼くん
てててて転校初日………

緊張する……心臓やばい………

新しい高校の制服はブレザーなんだけど
まだ制服が届いてなくて
地元の高校のセーラー服で登校した。

周りみんなブレザーだから目立つぅぅ!!


「中原さんはここで待っててくださいね。」

「あっ、はい!」


担任の先生に教室の前で待てと言われ
先生だけ教室に入る。


「では今日来た転校生を紹介します。
中原さん、どうぞ。」

「はっ、はい!失礼します!!」

「自己紹介をお願いします。」

「東北から引っ越してきました!中原梨花です!!宜しくお願いします!」


ふえー!噛まずに言えたー!!


「中原さんは窓側の後ろの席になります。
隣が大神なんだけど…あれ?
大神は??」

「遅刻らしーっす」

「全く。また遅刻ですか…。
中原さん、大神の隣だけど何かされたら先生にすぐ言ってね!」

「え?…あっはい…」


…………大神くんってひと……
何者…………?


「おはよーございまーす」

「あっ!大神!!遅刻厳禁ですよ!!」


えっ……………


「あ~~すいませーん」

「全く…この子が転校生の中原梨花さん!
大神の隣の席なのでよろしくね。」


この人って…………


「俺、大神健二。よろしくね♪梨花ちゃん♪」


昨日のイケメンーーーー!!!!!











「ねーねー!中原さんって東北のどこらへんに住んでたのー?!」

「セーラー服なんて珍しいね!!」

「彼氏とかいるのー?!」


席に着いた途端…質問の嵐………。


「てかー、大神の隣とか羨ましい!!」

「あたしも思った!!大神ってこの学校で一番のイケメンで狙ってる人いっぱいいるんだよ!!」

「そ、そうなんだぁ…」

「でも!気をつけてね!!」

「え?何を?」

「大神は…イケメンだけど学校一のタラシだから!」


そ………そうなの?!

「そうなの!梨花ちゃんすごいかわいいから気をつけてね!!」

「そ、そんなことないよ~…あはは…」


まじかまじかまじか!!!!!
あの人学校一のタラシなの?!


「はーい。女子のみんなー。帰ってー。
ここ俺の席ー。」

「え~大神~なによ~も~」


き、きた……!!!


「りーんーかーちゃん♪また会えたね♪」

「あははっ…昨日はどうも…」

「梨花ちゃんかわいいから昨日の子だってすぐわかったよ!」

「あはは~…」


この人……………
チャラい!!!!!!

さすがタラシ!!!

でもやっぱイケメンだな~……

ちょっと明るい茶色の髪に
くっきり二重で切れ長の目……
まつ毛長いし…肌きれい……
鼻筋もしっかり通ってて……………

っは!!!!いかんいかん!!



「てか制服まだ届いてないんだ?」

「そうなの~…」

「セーラー服珍しいね。めっちゃ似合っててかわいい♪」

「あ、ありがとう~…」


……………なんか………
幻滅…………!!!!!


「ね!梨花ちゃん彼氏いるのー?」

「い、いるよー!」

「ふーん。そうなんだ~。残念。」

「えっ…」

「んー?梨花ちゃん彼氏いなかったら
嬉しかったなーと思って!」


た、タラシ発言………!!

だめだこの人…!
あんまり話さないようにしよう!!!











クラスの女子のみんなと大神くんに
絡まれながらもなんとか学校一日目終了…。

な、長かった……………。


「ふぅ…さっさと帰ろう…」


早く帰って誠に電話しなきゃ!


「コンビニ…寄ってから帰ろうかなぁ」


お菓子買お〜っと!
あ!これ地元で売ってないやつだ!!!!
買っちゃお~!!


「あ、梨花ちゃんだ♪」

「…!!大神くん!!」

「そのお菓子美味しいよ♪俺も買おうとしてたんだ~」

「そ、そうなんだ!」


早くお会計済ませて帰らねば!!


「210円になります。」


えーっと財布財布~
あ…あれ?!財布ない!!
家に忘れた?!


「あっ…すいません…やっぱいいです…」

「これ使って。」

「へ…?」


後ろにいた大神くんが千円札を渡してきた。


「いやっ大丈夫!!」

「いいから。食べたいんでしょ?
これ早く買わないと売り切れるから。」

「あ、ありがとう…」


大神くんのおかげでお菓子は買えたけど…


「大神くん、お金は明日絶対返すから!!」

「いいって!そんなこと気にしなくて!」

「いやいや!絶対返す!!」

「じゃあ返さなくていいから一緒に帰ろ♪」


へ……………?




そして一緒に帰ってる
私達…………。
コンビニで買ったお菓子を食べながら…。

これっていいのかな……
誠以外の男子と帰るって許されることなのかな………

でもやましいことは何にもないし!!!


「なに考えてるの?梨花ちゃん。」

「へ?!なんも!」

「あーわかった。彼氏のことでしょ。」


なっ…なぜわかった…!!!


「でも梨花ちゃんに彼氏がいたなんてショックだなー。遠距離なんだ?」

「うん…そうだよ。」

「いつまで続くかね~。」

「え?」

「遠距離恋愛。」


は…?


「続くとか続かないとかそんなこと大神くんに言われたくないよ…!」

「え、梨花ちゃん怒ってる?(笑)」

「起こってるもなにも私と誠は赤い糸で繋がってるんだから!バーカ!!」

「………」


し、しまった…………。
言い過ぎた……。バカはないだろ…自分…。
しかも千円借りた人にぃぃぃ


「ごっ…ごめん大神くん!言い過ぎた…」

「ふーん。すごい自身だね。」

「だって…本当だもん…」

─チュッ


………え……?なに?……今の……
唇にふにゃっと………


「とりあえずその自身ぶっ壊すよ。
俺のこと好きにさせるから。」


大神くんに………
キス……された…………!!


「やっ…やめてよ!!!最低!!!」


私はその場から走って逃げた。

誠以外とキスなんて…
ありえないよ…!!!
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