嘘つきは恋のはじまり
two episode
....とりあえず私は、振り向いてみる
――――――――――そこにいたのは
一人の男の子
『あ、はは、は...い、今の...は...』
背中から嫌な汗が噴き出てくるのが嫌でも分かる
もちろん額からも、冷や汗がつう...と流れる
『....今の...??』
目の前の男の子は、眉を顰めながらそう聞き返してくる
.....あ、もしかして幸いな事に聞こえてなかったとかそーゆー感じ?
『いっ、いえ~!何でもないです~!!あ、あははは...!!』
ホッとしながらケラケラと笑う私を、目の前の男の子はチラッと横目で見ると、横を通って屋上の奥へと歩いて行った
(よかった聞かれてなかった~!!死ぬかと思った...!!!)
うっかり他人に聞かれる所だった...!!
これからは気をつけなきゃ...!!
『あ、あははは...』
私は空笑いしながら屋上から出ようと、男の子と入れ違いになる感じでドアの方に向かう
『じゃーな、極道のお嬢サン』
『あ、はぁい。失礼しまーすっ♪』
――――――――――――
―――――――――
ん???
ちょっと待て...???
≪じゃあな、極道のお嬢サン♪♪≫
『....は、はい...???』
.....い、今
聞こえちゃいけない言葉が聞こえたような....気がした様な
『あ、ははははははっっ♪♪....さ、さよーならー...』
『ぎ、ぎゃああぁぁあぁぁ!?!?!?!?!??!?』
ば、ばばば
―――――バレたぁぁあぁあぁ!?!?!?
16年間守り抜いてきた....私の秘密が...!!
........さ、さようなら青春
さようならmyライフ
さようなら...聖涼高校....
もう私...ここにはいられない....!!
私は気付けば、全速力でその場から逃げだしていた