嘘つきは恋のはじまり
「いーい?咲菜、あそこに気持ち悪いくらい群がってる女子達がにいるでしょう?」
うん、一つ言い忘れてました
結衣って、可愛いけど毒舌です
『うんうん』
「あの女子達の真ん中にいるのが、ここ聖涼高校のプリンス、一条奏太だよ」
『うーん、聞いた事ない名前だ』
結衣は廊下の女子達の方を指さすけど、その一条って人は見えそうにも無い
『プリンス...って、なに、王子??』
「そう、この学校でおそらく一番モテる男。女子達からは王子って呼ばれてるの」
『へぇ~...興味ないな~...』
恋愛なんて憧れるだけで、今までした事が無い私にとって、興味がなかった
「ほんっと興味ないのね咲菜は...なんで可愛いのにそーゆーのには無関心なのかなぁ~」
『へ???』
「まぁいいや....で、その男の子を捜して、どうするの??」
『え??口止めするよ??全力で』
「..............」
真顔でそう言う私を、結衣は心配そうに見つめた
『だいじょーぶだいじょーぶ♪なんとかなるって~♪』
私はケラケラとお気楽そうに笑う
まだこのときは、私は余裕だった
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