嘘つきは恋のはじまり
「ねぇ咲菜、ほ、ほんとに一条奏太?」
結衣は若干震え声でそう尋ねてくる
『....ま、間違いないです。あの顔でした』
私の声も何故か震えていた
そんな私達をよそに、一条って人はどんどんこっちに近づいてくる
そして、なんの躊躇いも無く教室に入ってくる
.....い、いやいや
まさか私の所になんて来ないよね??...うん
『永威咲菜...いる??』
......あ、死んだ
ドアに立っていたのは、間違いなく一条奏太だった
「きゃあぁ!?一条君っ!?」
「嘘...なんでうちの教室にっ!?」
クラスの女子達は一斉に騒ぎだす
一条奏太は周りに集まってくる女子達にニコッと微笑む
『ごめん、俺は永威咲菜に用があるんだけど』
一条奏太は、教室内をぐるっと見渡す
『ゆ、結衣!どうしよう!!』
「....ど、どうするって言われても...」
ヒソヒソと話すうちらだけど....
『あ、いたいた』
一条奏太は微笑みながら私を指差していた
(き、きゃあああああああああああ)
声にならない声で叫びながら、私は必死に顔を隠した
そのままズカズカと私の座る席へと近づいてきて.....
気付けば、目の前にいました
『~~~~っ!?!?!??!?』
うっわ、背でかっ!!
目の前に立つ一条君はかなりの高身長で、私を見下ろすような感じで見つめてくる
い、いやいや、そーゆー事考えてる場合じゃないっ!!
...ここは、何事も無かったかのようにしらを切るっ!!!!
『....な、何か御用ですか???』
ニコッと最高の笑顔で問い尋ねてみる
『永威咲菜...だよね?』
『はい~そうです~♪』
表面上はにこやかだけど、内心バタバタと暴れまくる私
背中からは冷や汗がたれてる