嘘つきは恋のはじまり
結衣に助けを求めようと、振り向いてみたけど
そこには結衣の姿はなかった
(結衣ぃいぃいい!?!?!?)
捜してみると、教室の端に心配そうにこちらを見つめる結衣の姿があった
(あ、あんにゃろおおおお!!!!!!)
結衣は私と目が合うと、が・ん・ば・れ、と口パクで言ってくる
う、裏切り者ぉおぉぉぉおおぉ!!!!!
『ゆ、ゆーいっ♪なんでそんな所にいるの~ぉ??』
声が裏返って凄い声になってる
結衣の元へ行こうと、身を翻したけど――――――
『....おい、どこ行くつもりだよ』
『うっっ...!!』
後ろから制服を引っ張られる
しかも、さっきまでの声とは違い、低い声だった
『あっはははは...ど、どちら様ですか~??』
うん、そうだ
私はこの人を知らない。面識も無い
話した事すら無いんだよ??
どうしてこんな人が私に会いに来るワケ??
『は、はははは....きっと何かの間違いですよ~はははは』
さりげなく手を振り払い、一歩後ろに後ずさる