嘘つきは恋のはじまり
「ではお嬢!!!今日も元気に行ってらっしゃいませぇ!!!」
「行ってらっしゃいませお嬢!!!!」
目の前にいるのは、がっしりとした体格と、見るからに凶悪そうな顔付きの男達
そんな男たちが、ただ私が家の廊下を歩いているだけで、皆頭を下げていく
『.....行ってきます』
ドアを開けようとした私は、ふと呼び止められた
「お嬢!!お車でお送りいたしましょうか!!!」
『い、いやっ!!!歩いて行くからっ!!大丈夫だから!!』
私の身の回りの世話をしてくれる幼馴染の優真が、朝急いで学校に行こうとする私を呼び止める
「で、ですがお嬢...この時間では遅刻しますよっ?」
『いや大丈夫!!バスで行くしっ!!』
「何言ってるんですかお嬢!!お嬢がわざわざ公共の乗り物をお使いになるなんて、そんなの俺達が頭(かしら)に叱られますっ!!!」
「さっ!!どうぞお嬢!!」
『いや、ホントに大丈夫!!全速力で走ってくから!!うん!!マジ大丈夫だから!!』
慌てて私を追いかけてくる舎弟達を全力で振り切って玄関へと向かう
『いってきまーーーす!!!!!!!』