嘘つきは恋のはじまり
three episode
『いーやーだーぁ!!離せー!!この変態ー!!』
周りの目なんて気にもせず、一条奏太は私の手を掴んだままズカズカと進んでいく
『いい加減離せこの変態ー!!!人の話聞いてんのっ!?』
ジタバタと暴れるあたしなんて気にもしない
『っち...いいから黙ってろ』
一条奏太は一瞬私の方を向いたと思うと、舌打ちをしながら睨んでくる
か、感じ悪っっっ!!
何!?こんな奴が王子ぃ!?ふさけんなっ!!!
どこが!?!?
一条奏太は今は使われていない空き教室に入ると、ドアをバンッ!!と閉めた
『......こ、こんな所に連れてきてどーゆーつもり?』
私はキッと睨みつける
『随分と威勢がいいな』
変わりに上から降ってきたのは、冷たく低い声
『それじゃあ"極道のお嬢サン"、今から俺の言う事をよーく聞けよ?』
ニコッと微笑む一条奏太
その笑顔は、どこか黒っぽくて、ゾクッとした
『今日からさ、俺の女避けになってくんない??』
『.......は??』