嘘つきは恋のはじまり


アイツがなんでこんなにモテるのかは、まったくもって理解できないけど


アイツの人気は相当のモノだった




アイツがちょっと廊下を歩けば女子達がきゃあきゃあきゃあきゃあ

アイツがいつもの偽王子スマイルをすればきゃあきゃあきゃあきゃあ


常に女の子

しかも、ファンクラブまであるという人気っぷり




マジありえない


ただちょーっと顔がいいくらいでしょう??








「へーぇ...やっぱり凄い人気なんだ」



『ホント気持ち悪い!!あんなののどこがいいんだか』





って、愚痴ってるといっつもタイミング悪く―――――






『お、こんな所でも俺の話かぁ~...嬉しいな、俺、愛されてる?』





現れやがった







『ぎゃああああぁあぁあぁあぁぁぁ!?!?!?』



「きゃぁあああぁあぁぁ!!!!!!!」



あたしの悲鳴と同時に、クラスの女子達からも悲鳴が上がる







『な、なんでこんな所に....!!』



『ん?そりゃあもちろん、大事なペットと触れ合わなきゃ―――――『ぎゃあぁあぁああ!?!?!?!?』






な、なにこいつ人前で!!しかもクラスメートがいる前でペットとか言っちゃってんの!?


なに考えてんのコイツ!!!!!






『な、なに言ってんのアンタはぁあぁ!!!』



急いで一条の口を塞ぐ








『冗談冗談!...ちょっと一緒に来てくれる??』



ニコッと絶賛王子スマイル中



みんな騙されちゃダメ!!何か企んでるから!!こーゆー時!!







『...い、いや、私今お昼ご飯中だから...『咲菜』....は、はい』



お弁当を持ちながら一条から離れる



が!!


アイツはいつもより2トーンくらい低めの声で私の名前を呼んだ






......これのどこが王子だぁぁぁあぁ!!!






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