嘘つきは恋のはじまり
『っ...』
手首をグイッと引っ張られ、私は一条に向かって倒れる形になる
目の前には、アップになった一条の顔
『や...っ!』
反射的に私は一条から離れようとする
『なぁ、ホントお前って男にこーゆー事された事ないの??』
でも、両手を掴まれて離れようにも離れられない
一方の一条は、いつもの余裕そうな顔をしながら私を見つめている
『な、ないってば...!!』
『は?男と付き合った事も?』
『....ないってば...!!な、なんか悪いっ!?』
離れようとして顔をそむけるけど、一条は更に顔を近づけてくる
『へぇ、ないんだやっぱ。どーりで反応が超初心』
『んなっ...!!』
なんだかバカにされてる気がして、ちょっと腹立つ
『な、なんか悪かった?』
ちょっと子供っぽく口を尖らしながら一条を睨む
うわ、ダメだな私。すぐにムキになって
『いいや全然?...むしろ好都合...かな』
一条は怪しくニヤッと微笑んだ
『俺が全部最初から教えてやれるって事だろ?』
『...は!?ど、どーゆー....』