嘘つきは恋のはじまり



―奏太seed―




『...ぶはっ』



目の前には、顔を真っ赤にしながら目をつぶるコイツの姿


ちょっと顔近付けたくらいで、顔湯でタコみたいに赤くしてる





『あははっ...なんつー顔してんだよお前...!!!』



もう腹が痛くなるくらい笑った

俺が笑っている姿を、ポカンとして見てやがる

ホント飽きねぇ




極道のお嬢?こんな顔近付けられたくらいで顔赤くするやつが?

ホントおもしれぇ





『わ、悪かったわね!!...どーせ私はこんな事くらいで顔を赤くするような女ですっ!!!それが嫌なら別の女の子としろ!!このド変態っ!!』




普通の女なら、俺に迫られたら何だってする筈だ

逆に皆喜ぶだろう





なのにコイツは俺を突き飛ばした上に、ド変態扱い

こんな女初めてだ






『っぷ...』



俺はアイツが屋上から出て行ったあとも、こみ上げてくる笑いを抑える事が出来なかった






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