嘘つきは恋のはじまり
「ホントお前はさーあ「奏太ぁ~!!」...あ、来た来た」
ッチ
来やがった
「一条君っ!!」
「奏太ぁ!!」
気がつけば、俺の周りには女子達が集まっていた
ちらっと優輝の方を見てみると、ヒュー♪と口笛を吹きながら手を振っている
あのヤロ....
「ねぇ奏太!今日カラオケ行くんだけどさ~!奏太も行かない!?」
きつく香る香水の匂い
鼻に結構来る
.....だから香水の匂いは嫌いだ
『ごめん、今日はちょっと用事があってさ』
俺はいつもの笑顔をニコッとして見せる
「えー...奏太がいたら皆喜ぶのにな~...」
"皆"じゃねえだろ、"自分達"が、だろ
ちょっと外見が良いからって、内面なんて気にもしないで女はそれ目当てで近寄ってくる
本当の自分を知りもしないで、好きだの何だの言われても、まったく嬉しくない
遊び半分で遊んでみても、ちっとも心は埋まらない
「奏太ー!!週末空いてる?暇だからあそぼーよ~!!」
「はぁ?こっちが先なんだけど!!」
ぎゃあぎゃあうるせぇ
誰もお前なんかとは遊ばねえよ...