嘘つきは恋のはじまり
「き、きゃあぁ!?永威さんっ!?ど、どうしたのその人っ!?」



保健室に入ると、中にいた先生はびっくりしていた






『えっと、その...さ、さっきこの人転んで気絶してたんですっ!!』



我ながら下手くさい嘘を適当について、私は保健室をそそくさと出ていく






「あっ、ちょっと.....!!!」




先生に呼び止められているのも聞こえないフリして、私は走る










――――――そう、これがわたしの日常なのである




こんなの、普通じゃないでしょう?

分かってるわよそんな事






仕方ないのよ.....癖なんだよね、"コレ"



弱い者に寄ってたかっていじめるとか

カツアゲとか

嫌なのよ、見てるの





だから、女でもこうやって喧嘩止めたり、弱い者いじめ止めたりしてるってワケ


......いや!!分かってる!!分かってるよ!!


女の子っぽくないって事くらい......












『.....はぁ...』




深いため息をつきながら、私は屋上へと向かった


今日の一時限目は苦手な数学、ちょっとサボってみる





少しサビれ気味のドアノブを回し、屋上へと上る


ドアを開けると、生温い風が吹く






『はぁ....』




やっぱり変よね


普通の生活に憧れてるくせに






『極道の跡取り娘がこんなバカみたいな事ばっかしてさ....』

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