いちごパンツのポートレート

優子より少し年上に見える男性は短髪で清潔感があり

少し下がり気味の目元が優しそう、対応がとても誠実で好感を持てる人だと思った。

「…はい、少し驚いただけですからお気になさらずに…こちらこそ助けて下さり有難う御座いました。」

優子も笑顔で頭を下げてから『失礼します』と声を掛け店の奥へと引き返した。

それから直ぐに優子が酔っぱらいに絡まれたと聞き付けたマスター

「優子ちゃん…嫌な思いをさせて悪かったね、やっぱり今日も調理場で仕事をして…もう表に出なくていいから」と言ってくれた

ほんの少しだけ…

先程助けてくれた男性を見て居たかった気もしたけれど…

もう酔っぱらいに絡まれるのは避けたくて大人しくマスターの言い付けを守り、その後はずっと調理場で仕事をすることになったのだった…






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