いちごパンツのポートレート
SS 3位と大賞
「小原さん…
今日はまだ掛かりそうですか?」そう声を掛けて来たのは営業の久保田
デザイン課と営業課に所属する俺たちは直接関わりは無いけれど…
なんか懐かれて、久保田はよくデザイン課に顔を出す。
「…あぁーこれを出力が済んだら今日は終わり」
「見せて貰ってもイイですか?」まるで忠犬みたいだな?
『待て』って言ったら、いつまでも待ってそうだ…
蓮はそんな事を考えながら「うん、構わないよ」そう返事をした。
「スッゲーやっぱ小原さんメチャクチャ才能あるんすねぇー尊敬します…」
久保田の褒め言葉は軽いのに、その眼差しはキラキラと素直に感嘆を口にしている事が分かる。
そんなところがカワイイ奴だなって思わせる…
「社長に言われたデザインコンペに応募する作品ですよね?
あんな嫌だってごねてたのに頑張りましたね…エへへ」
「おい、なんで上から?
…仕方ないだろ雇われの身からしたら社長命令は絶対だからな
早くフリーになりてぇー」