いちごパンツのポートレート
SS思い出はオレンジ色
雲一つない、目にも眩しい快晴の青空
その空色に突如姿を現したオレンジと白の縞(しま)模様の煙突
「うわぁ~~~見えてきたーーー」ハルの声を合図に私たちは
ウキウキとした表情で両親の顔を窺い見る。
そんな子供たちとは対照的に苦笑する両親
「ホント…あの煙突は隠せないから誤魔化しが利かないわね」と母
「…でも用事が先だぞ!!」父の宣言に
「「「ヤッターーア・イ・ス・ク・リーーーム」」」
この時ばかりは意気投合した兄妹たちの声が重なり
「「「あっ!ハッピーアイスクリーム キャハハーー」」」と更に盛り上がりを見せる。
私が漸く小学校に通い始めた頃
父の運転する車が何処を走って居るのか?
全く見当も付かなかったけれど…
国道沿いを走行していると見えてくる、周りの建物よりも一際高い火力発電所の煙突
オレンジと白の縞模様の煙突が幼かった私たちに『美味しい物が近くにあるよ』と知らせてくれた。